フクティック村は、フエから北西約40Kmに位置する人口約320人の小さな村です。
蛇行するオーロウ川に囲まれた緑豊かな村内には、ベトナムの国家文化財に指定された100年以上の歴史ある古民家が散在しており、ベトナムの伝統的な村落風景を残しています。
ベトナムの王朝時代に栄えた500年以上の歴史ある窯業も魅力のひとつです。現在は2名の職人を中心に伝統的な陶器の良さを受け継ぎつつ、現代の生活に合った陶器作りに取り組んでいます。
村内では、古民家や陶器の見学だけでなく、伝統ろくろの体験や伝統的なお菓子作りの体験、ホームステイや、村の女性たちが作るおいしい料理もお楽しみいただけます。
フクティック村で、都市型観光ではなかなか伺い知ることのできないベトナムの村落地域の文化や生活に触れてみてください。
村の中心には、古くから伝わるミェウ廟と大木がそびえ、村を囲うように流れるオーロウ河に沿うように先祖を祠る先祖廊が並んでいます。村に多く残る伝統家屋は生垣が美しく、村全体に緑豊かな景観が広がります。村に足を運ぶと、村人の素朴な笑顔に迎えられ、時の経つのを忘れてしまうほど、ゆったりとした穏やかな時間が流れています。
フックティック村では、伝統家屋の訪問及びホームステイや祠堂巡り、陶芸教室、ボート下り、郷土料理など体験することが出来ます。
この村ではもともと窯業が盛んで、小型の壷、花瓶、皿、調理用具など、釉薬を用いない暗赤色の素朴な生活雑器が焼かれました。フエの王宮にも村の陶器が献上され、とくにオムと呼ばれる芳香米を調理する壷は、一度使うと味が落ちるため使用後に壊されたので、王宮では毎月30個のオムを必要とし、それ以来フックティック村の壷は「皇帝使用の宝石壷」として有名になったそうです。
ハノイ近郊のバッチャン焼きにも匹敵する上質の土と陶芸技術があります。土の風合いが味わえる素朴な風合いが特徴で、使いやすさも抜群。新たな中部土産のひとつに加えてみてはいかがでしょうか。
この村の起源は古く、15世紀のLe Thanh Tong王(1460-1497年)時代にさかのぼり、その後フエに都を置いたグエン王朝時代に、現在のフックティック村に改称されたそうです。