第5代皇帝ズクドゥク帝(在位1883)の陵墓で、安陵と称されます。
フエ市内から最も近い帝廟でDuy Tân通りにめんしており、他の帝陵がほぼフォーン江に沿って配置されているのに対して育徳帝陵は王宮の正面から2km 、御屏山の前に建っています。
先代である4代皇帝トゥドゥック帝には実子がおらず、3人の甥を養子にしました。その中で最年長がズクドゥク帝でした。帝は1883年に5代皇帝として即位しましたが、当時権力をもっていた皇后と権臣によって即位後3日で廃位させられ、その後は軟禁されて、餓死させられてしまいます。帝の陵墓はすぐには造営されず、6年後に皇位に就いた息子のタインタイ帝によって1890年に造営されました。
そのようなことがあり、ズクドゥク帝陵はグエン王朝のほかの帝陵に比べて、簡素なもので寝殿である隆恩殿と、二重の周壁に囲まれた育徳帝と皇后のふたつの石棺がひっそりとたたずむ慎み深い建築となっています。
またここはズクドゥク帝の子である10代タインタイ帝と孫である11代ズイタン帝の共同の御陵ともなっています。少し離れたところにタインタイ帝と11代ズイタン帝の陵墓がおかれ埋葬されています。
◆ズクドゥク帝陵 / Lăng Dục Đức
住所:8 Duy Tân, An Cựu, Tp. Huế, Huế
開館時間:7:00 – 17:30(年中無休)
料金:無料
寝殿(礼拝堂)である隆思殿
殿内には中央にズクドゥク帝の位牌、左右にタインタイ帝、ズイタン帝の位牌がおかれています。
陵墓の前にある三関門
碑亭
皇帝の功績が書かれた碑石が置かれていましたが現在は失われています。
皇帝の石棺
碑亭をはさんで反対側には皇后の石棺があります。
華表柱
陵墓の両サイドに立っています。華表柱には皇帝の霊を帝陵に導く役目があると言われています。
タインタイ帝陵墓
隆恩殿の後方にあるタインタイ帝の墓陵。近くにズイタン帝の陵墓もあります。
※ズクドゥク帝陵をいちど出て、Duy Tân通りを東に30mほどいったところにあります。